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冲方丁さん初の現代長編ミステリー「十二人の死にたい子どもたち」 対話劇に込めた思い

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冲方丁さん初の現代長編ミステリー「十二人の死にたい子どもたち」 対話劇に込めた思い

「公開待ち会」で直木賞選考結果の電話を受ける冲方丁さん 「公開待ち会」で直木賞選考結果の電話を受ける冲方丁さん

 「小説については、これでSF、時代もの、現代ものの三本柱で書いていけるかなと思っています」。『天地明察』『光圀伝』などの時代小説、マルドゥック・シリーズなどのSF小説で幅広い人気を集めている作家、冲方丁さん(39)が『十二人の死にたい子どもたち』(文芸春秋)で初の現代長編ミステリーに挑んだ。

 安楽死を望む少年少女12人が、廃業した病院に集まることで展開する人間ドラマを描く。“13人目”の謎解きというミステリーの手法で物語を牽引(けんいん)。現代日本の閉塞(へいそく)感を映す社会派の趣もある作品だ。構想は長く温めてきたのだという。12年前にタイトルまで決めていた。「ただ当時は、ネットを通じて見知らぬ人が出会う設定というのがまだ一般的ではなかった。SNSが普及して、やっとアイデアと社会の接点ができた」

 同じ目的で集まったものの、価値観が違いすぎる人々による会話は、まったくかみ合わずに始まる。どんなに切実な状況も、他人には「たかがそれぐらい」だったりする。しかしトラブルを解決しようと手探りし、論じ合ううち、状況は少しずつ動いていく。「対話が最後の希望、という確信はあります。平和に安住していられなくなったいまの世の中だからこそ、この本を出す意味があったとも思っています」

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