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【書評】『総理の誕生』阿比留瑠比著 「将来の平和」に目を向けた政治家の実像を鋭く分析

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【書評】
『総理の誕生』阿比留瑠比著 「将来の平和」に目を向けた政治家の実像を鋭く分析

 ■守旧派とは一線を画す保守

 阿比留記者は第1次安倍内閣の誕生前から、今まで安倍晋三氏に密着取材してきた。私も何度か“番記者”をやってきたが、親しく交われば見方が甘くなるのが記者の常である。しかし阿比留記者の目はそういう番記者とは一段違って、分析力に優れた名著だ。

 安倍氏があげる問題認識について阿比留氏はもともと深い知識を持っているが、安倍氏を「思想や理念に固まった人ではない」と分析している。対中国外交について間違っていると思えば時間をかけて修正していく忍耐力もあり、戦略も持っている。

 中学教科書に「慰安婦強制連行」とあった時のこと。国会に元内閣官房副長官を呼んで「国内にも米国内にもそれを裏付ける文書はない」との答弁を引き出して、河野談話を無力化した。

 国民が防衛問題に関心が薄いのは「憲法前文に安全保障が抜け落ちているからだ」と安倍氏は分析している。発想が旧憲法を懐かしむ世代とは違うことが分かる。

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