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【ときを紡ぐ絵本 親子とともに】ともに「読み聴く」 絵本は双方向の営み

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【ときを紡ぐ絵本 親子とともに】
ともに「読み聴く」 絵本は双方向の営み

ぐりとぐら 写真(1) ぐりとぐら 写真(1)

 「ぼくらのなまえはぐりとぐら」。絵本「ぐりとぐら」(中川李枝子・文 大村百合子・絵、福音館書店)の冒頭の頁には、森に向かう主人公2匹の後ろ姿が描かれています。物語の始まりの自己紹介の場面がなぜ後ろ向きなのでしょうか? その答えはともに絵本を見る子供が教えてくれます。

 この絵本では、ぐりとぐらが森で大きな卵を見つけ、カステラを作って仲間たちに振る舞います。卵を見つけた場面では目を丸くし、焼きあがったカステラに目を輝かせるなど、子供は登場人物と同じ表情で絵本を見つめます。それは、自分がぐりやぐらに「なって」、内側からその絵本の世界を味わっているからです。それゆえ子供は、絵本を通して大人にはできないさまざまな体験や発見をしていきます。

 カステラができあがった場面で、4歳のS君は、森に集まった皆にカステラが行き渡っているか、オオカミの肩に乗る小鳥にまで目を向け確かめました。カステラは全員に分けられています。そこに作者の平和への願いを読み取ることができますが、S君が同じことを感じていることに驚かされます。

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