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出会いと別れの舞台、地元万感「鉄道の遺産、活用したい」 JR留萌-増毛間廃止

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出会いと別れの舞台、地元万感「鉄道の遺産、活用したい」 JR留萌-増毛間廃止

廃線当日の増毛駅で、留萌本線の思い出を語る増毛町観光ボランティアガイドの織田達史さん=4日午後、北海道増毛町(桐原正道撮影) 廃線当日の増毛駅で、留萌本線の思い出を語る増毛町観光ボランティアガイドの織田達史さん=4日午後、北海道増毛町(桐原正道撮影)

 北海道北西部のJR留萌(るもい)線留萌-増毛(ましけ)間が4日、95年間に及んだ運行を終了した。JR北海道は年間1億6千万円の赤字になっているとして、この区間の廃止を昨年8月に提示していた。今年11月にはこれとは別に、「単独では維持困難」とする北海道の10路線13区間を発表している。

 「かつては海水浴場があり、臨時列車が走っていた。乗客は海水浴客に手を振り、海辺からも手を振り返し、気持ちが通じ合っていた。その光景が目に浮かぶ」。日本海沿岸の住民らのさまざまな出会いや別れの舞台となってきた同線の終着駅・増毛駅の最後を、増毛で生まれて小、中、高校をこの地で通い、教鞭(きょうべん)も地元でとった織田達史(たつふみ)さん(73)は万感の思いで見届けた。

 増毛はかつてニシン漁で栄えた。往時の華やかさを伝える北海道遺産の歴史的建造物群にも指定された町並や駅舎は、故高倉健さんの主演映画「駅 STATION」などのロケ地になった。高台からそっと最後の列車を見送った織田さんは「今は『廃線フィーバー』ですが、静かになった後も増毛の魅力を知ってもらう努力をしなければ…」と話した。

 駅前では、住民や観光客らから寄せられた約400枚の写真で構成した「お別れビデオ」が上映された。企画した日本最北の酒造メーカーとして知られる国稀酒造の本間桜企画室長(56)は「私も増毛出身。列車で海が見えると『故郷に帰ってきた』と思った。鉄道が残してくれた遺産を活用したい」と話す。(杉浦美香)

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