産経ニュース

【書評倶楽部】落語家・桂文珍が読む『紙の城』本城雅人著 新聞はこれからどうなる

ライフ ライフ

記事詳細

更新

【書評倶楽部】
落語家・桂文珍が読む『紙の城』本城雅人著 新聞はこれからどうなる

桂文珍さん 桂文珍さん

 20代の若い弟子に言葉の説明をしようとすると、スマホを取り出して検索している。また、先輩名人たちの芸をユーチューブで見ている。ああ情けない、体で覚えろよ、足で学ぶんだよ-と叫びたくなる。現に叫んでいる。

 私は一般紙を3紙購読している。読み比べると、それぞれ論調や価値観が違っていて、同じ出来事に対してもさまざまな考えがあることがよくわかる。そして、自分の考えもまとまっていく。弟子たちは新聞すら取らずに、ニュースはスマホでながめているようだ。新聞はこれからどうなっていくのだろう。

 確かに即時性だけを考えれば、ネットの方が早いかもしれない。が、新聞は取材する記者が現場に足を運んで、深く考えて記事に仕上げていく。そして、紙に載せられて早朝にわが家に届く。アナログ人間でネットの苦手な私は、現場の記者さんたちの努力と記事の筆圧を楽しみにしている。

 取材を受ける側の立場になって対応してくれた記者さんがいて、感心していたらその人が取材後に「実は…」と切りだした。何かと思ったら、私が昔文学部で教えた学生だというのでズッコケたこともあったが。

続きを読む

このニュースの写真

  • 落語家・桂文珍が読む『紙の城』本城雅人著 新聞はこれからどうなる

「ライフ」のランキング