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ロンドンの秋彩るオープンハウス 芸術文化プロデューサー・柳沢晶子

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ロンドンの秋彩るオープンハウス 芸術文化プロデューサー・柳沢晶子

オープンハウスで公開された、ロンドン五輪を記念して建てられた展望台「アルセロール・ミッタル・オービット」(C)Open City オープンハウスで公開された、ロンドン五輪を記念して建てられた展望台「アルセロール・ミッタル・オービット」(C)Open City

オープンハウスでは、この開発現場をツアーで紹介した。開発は民間デベロッパーが行うが、2年間にわたって住民との話し合いを持ち、人々の希望を可能な限り反映したという。

 個人住宅は90の物件が公開された。歴史を感じる外観から中に入ると、モダンなデザインと機能美にあふれた空間が広がる。設計を担当した建築家が見学者の質問に気軽に答え、家主も改築の際の苦労話に興じている。見学者との会話が楽しくて旅行をキャンセルした家主もいたそうだ。

 オープンハウスはチャリティー団体「オープン・シティー」が運営する。建築や環境への関心を高める目的で、建築家を目指す学生や子供の教育、行政への提言などを通じ、持続可能で住みよい都市づくりを目指しているという。

 イギリスは、価値のある建造物を歴史遺産として保存している。建造物は重要度に応じてグレードを指定、その数は約50万件に上る。住宅やオフィスビルとして“現役”の建物を改築や増築する際は、厳しいチェックを受けなければならない。オープンハウスには毎年延べ20万~25万人が見学者、7千人がボランティアとして参加するという。

 今後も人口増加が見込まれるロンドンでは、インフラ整備や住宅供給が急がれるが、都市計画の中心には、市民、建築家、デベロッパー、そして行政の有機的なつながりが存在している。オープンハウスに参加するたびに感じることだ。

 現在、世界33の都市にオープンハウスが広がっている。創始者のヴィクトリア・ソーントンさんは「ラゴス(ナイジェリア)も始めていますよ」と話していた。日本でオープンハウス開催に一番乗りするのは、どの都市だろうか。

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