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山田風太郎賞に塩田武士さん「罪の声」 「新しい小説への自信に」

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山田風太郎賞に塩田武士さん「罪の声」 「新しい小説への自信に」

グリコ・森永事件をモデルにした小説「罪の声」で第7回山田風太郎賞を受賞した塩田武士さん グリコ・森永事件をモデルにした小説「罪の声」で第7回山田風太郎賞を受賞した塩田武士さん

 第7回山田風太郎賞(角川文化振興財団など主催)に塩田武士さん(37)の『罪の声』(講談社)が選ばれた。21日に都内で会見した塩田さんは「すばらしい賞をいただいた。これで、近所の人から無職と思われずにすむかも」と笑顔で語り、会場の笑いを誘った。

 塩田さんは兵庫県出身。新聞社に在職していた平成22年、取材で出合った将棋の世界を題材にした『盤上のアルファ』で第5回小説現代長編新人賞を受賞し、デビュー。

 受賞作は、未解決のまま時効を迎えた「グリコ・森永事件」を題材にした長編小説。青酸入り菓子がばらまかれ、大量の脅迫状・挑戦状が送りつけられた事件から三十数年後の現代を舞台に、真相を追う新聞記者と幼い頃の自分の声が企業脅迫に使われたことを知った男が謎解きに挑む力作だ。「このテーマをいつか小説にすることを心の支えに書き続けてきた。犯罪に巻き込まれた子供の未来はつぶされる、ということを伝えたかった」と話す。

 本作執筆に当たり、事件に関する資料を読み込み、当時を知る関係者らに話を聞いた。そして、事件の発生日時や場所、脅迫状の文言などをできるだけ史実通りに再現した。「これを形にできたことで、過去や現在進行形の事件を自分なりに解釈し、新しい小説を書いていける自信ができた」と、決意を新たにしていた。(村島有紀)

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