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試行錯誤の跡…中江兆民の直筆原稿発見

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試行錯誤の跡…中江兆民の直筆原稿発見

中江兆民の代表作「三酔人経綸問答」の直筆原稿の、書き込みがある清書部分 (国文学研究資料館提供) 中江兆民の代表作「三酔人経綸問答」の直筆原稿の、書き込みがある清書部分 (国文学研究資料館提供)

 明治時代にフランスの哲学者、ルソーの思想を日本に紹介して自由民権思想を広め、「東洋のルソー」と呼ばれた高知出身の思想家、中江兆民(1847~1901年)の代表作「三酔人経綸問答」の直筆原稿が見つかったことが、分かった。

 高知市立自由民権記念館の企画展(12月25日まで)で現物を展示しているほか、国文学研究資料館(東京都立川市)もホームページ上で公開している。

 明治20年に刊行された三酔人経綸問答は、理想主義的な民主化を唱える「紳士君」と、武力による海外進出を主張する「豪傑君」、現実主義を代表する「南海先生」の3人が酒を酌み交わしながら日本の針路について議論するという設定。原稿は114枚の和紙に毛筆で記され、2冊の冊子にとじてあった。半分以上は清書に訂正や変更が書き込まれ、南海先生が民権について語り、議論が盛り上がる後半部分は下書きのままだった。切り張りして推敲(すいこう)を重ねた試行錯誤の跡が生々しく残る。

 同資料館が文部科学省と取り組む、古典資料の大規模データベース化事業の一環で3月に東京都内の古書店から購入し、直筆と確認。同館の谷川恵一教授(日本近代文学)は「兆民がこの著作をどのように書き進めたかが分かる。力の入れ方が伝わってくる資料だ」と話している。

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