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【世界文化賞】
シンディ・シャーマン氏(絵画部門)「芸術のノーベル賞、大変光栄」
--会見前に早めに来日し、香川県の直島に行ってきたそうだが
「あまりにたくさん見てきたので、何かこれを見たと言えないほどでした。豊島(てしま)にも行ってきましたし、美術館にも行きました。美術館、という形で捉えられる以上の、全体が美術館という気がしましたし、全体が美術作品でもあるし、美をまつる神殿だとも思います。それから犬島にも行きまして、非常に美しいところでした。そもそも船に乗って島から島に渡るということ自体を心から楽しみました。たくさんの美しい島を見ることができましたし、周りの景色も大いに楽しみました。目で見るすべてのものを楽しみ、心からこの経験を楽しんだと言えるでしょう」
--セルフポートレートで知られる日本の現代美術家、森村泰昌さんの作品とは類似性があると思うが、どのように見ているか
「類似性がある、という指摘には同感です。双方ともに、自らをカメラの前に置くということをやっています。ただ、森村さんは何人かのチームでやっておられるので、作品のプロセスは違うかもしれません。それから彼の場合、文化的な差ということも取り上げようとする試みがあると思います」
(「高松宮殿下記念世界文化賞」受賞者取材班 2016年、ホテルオークラ)