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【世界文化賞】
シンディ・シャーマン氏(絵画部門)「芸術のノーベル賞、大変光栄」
私の制作の仕方というのは、常にカメラの横に鏡があって、その鏡に映る像を見つめながら行っています。その鏡に映るものに何か変化、自分と違うものが現れる瞬間を待ちながら写真を撮り続けているわけです。特にデジタルカメラになってからは何枚でも撮ることができるので、何か新しいもの、何か異なったものが現れるまで待ちます。私自身から、はるかにかけ離れたものを捉えていく、それが現れるまで待つということです。それが私が目指す目標と言えます。だから、何か特定のキャラクターとの間で魂の交流をするとか、そういうことではありません。
付け加えると、最初は私自身、自分が何を求めているのか分からない状態で始めます。横に置いたコンピューターのデジタル画像を見るまで、あ、これだというものが分からない。だから私は一人で仕事をすることを好むわけです。もしアシスタントやモデルがいた場合、こういうものを求めているから、と説明をしなければならない。
でも私としては、そういうふうに言葉にして明言できるような何かが分からないから、それを求めて始めているわけです。だから、それが目の前に現れるまでは分からない、という形で作業を進めています」
--写真を学ぶ学生たちへのアドバイスを