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【アート 美】豊島横尾館 「死の祝祭」感じる空間

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【アート 美】
豊島横尾館 「死の祝祭」感じる空間

「母屋」と呼ばれる建物内は、大作を展示した圧倒的空間。正面は3連作「原始宇宙」、右は「宇宙的狂気愛」。ガラス張りの床下には川が流れている(いずれも大西正純撮影) 「母屋」と呼ばれる建物内は、大作を展示した圧倒的空間。正面は3連作「原始宇宙」、右は「宇宙的狂気愛」。ガラス張りの床下には川が流れている(いずれも大西正純撮影)

 ■流れ続ける滝

 円塔の内部でも、インスタレーションが展開されている。約9000枚もの滝のポストカードがびっしり貼(は)られており、かつ天井と床が鏡張りになっているので、永遠に滝が上から下へと流れ続けるのだ。実際、足を踏み入れてみると、底のない井戸の中を無限に落ちていく感覚に襲われる。

 「滝」は横尾さんの絵画の主要なモチーフのひとつ。おびただしい数の滝の絵はがきも、美術家自ら収集したものだ。

 実はトイレの中も、鏡張りの魔術的空間になっている。そして最後の部屋は真っ赤な世界。彼岸から“この世”を眺める稀有(けう)な体験ができる。

                   

【プロフィル】横尾忠則

 よこお・ただのり 1936(昭和11)年、兵庫県西脇市生まれ。60年代からグラフィックデザイナーとして活躍し、72年にニューヨーク近代美術館で個展。80年代から美術家として絵画を主軸に活動。パリのカルティエ現代美術財団での個展(2006年)などで国際的評価を不動のものに。12年、神戸市に「横尾忠則現代美術館」がオープン。15年、高松宮殿下記念世界文化賞(絵画部門)を受賞。初の小説集『ぶるうらんど』(08年)で泉鏡花文学賞、『言葉を離れる』(15年)で講談社エッセイ賞を受賞するなど名文家でもある。

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