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【アート 美】豊島横尾館 「死の祝祭」感じる空間

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【アート 美】
豊島横尾館 「死の祝祭」感じる空間

「母屋」と呼ばれる建物内は、大作を展示した圧倒的空間。正面は3連作「原始宇宙」、右は「宇宙的狂気愛」。ガラス張りの床下には川が流れている(いずれも大西正純撮影) 「母屋」と呼ばれる建物内は、大作を展示した圧倒的空間。正面は3連作「原始宇宙」、右は「宇宙的狂気愛」。ガラス張りの床下には川が流れている(いずれも大西正純撮影)

 今年80歳になった美術家、横尾忠則さんはいつまでも死なないだろう。冒頭から何と不謹慎な、と思われるかもしれないが、ご本人の最新刊のタイトルが『死なないつもり』(ポプラ新書)なのだから、きっとそうだと思う。

 そもそも横尾さんは、一貫して死に憑(つ)かれたアーティストといえる。初期の代表作は自身の首つりを描いた「横尾忠則死亡広告」(昭和40年)で、実際に新聞に死亡広告を出したことも。そして最初の作品集は『横尾忠則遺作集』。昨年、高松宮殿下記念世界文化賞を受賞した際も、こんな風に語っていた。

 「意識するしないにかかわらず、僕の絵の中には何らかの死のイメージがあると思う。子供の頃から死について考えなかったことはない。生きている延長に死があって、生の側から死を見ている人がほとんどだと思うが、僕はむしろ死の側に立って現実の生を見ている」。一瞬混乱するが、批評家の浅田彰さんの言葉を借りれば、横尾さんは「死の恐怖ゆえに死の擬態を反復しつつサバイブする人」となる。

 そんな横尾さん独特の死生観を体感できる空間が、瀬戸内海に浮かぶ豊島(てしま)(香川県)に3年前にオープンした「豊島横尾館」だ。穏やかな漁港近くの古民家3棟を改修・増築したもので、建物と展示絵画、造園のコンセプトはスイス出身の画家、アルノルト・ベックリン(1827~1901年)の代表作「死の島」から着想したものという。

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