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【不妊治療のやめ時を考える(4・完)】養子を育てるという選択も 「治療と並行して検討を」「血が繋がってなくても似てくるのかな…」

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【不妊治療のやめ時を考える(4・完)】
養子を育てるという選択も 「治療と並行して検討を」「血が繋がってなくても似てくるのかな…」

親子のあり方はさまざま。養子という選択肢も…(写真はイメージです) 親子のあり方はさまざま。養子という選択肢も…(写真はイメージです)

 家族として当たり前の毎日

 「今はもう血のつながりとか考えることもない。家族としての毎日があるだけです」

 こう話すのは、関東地方に住む吉田奈穂子さんだ。不妊治療を経験した後、1歳のときに引き取った遊ちゃん=仮名=はもう、中学生になった。

 養子縁組を考える人たちのなかには「血のつながりがないのに育てられるのか」と不安に思う人もいるが、吉田さんは「迎えたその日から深い愛情を持って子供を育てなければ、と肩に力を入れなくてもいいんです」と言う。

 吉田さん自身も、遊ちゃんを家に迎えたその瞬間からすぐに、親子の絆を強く感じたわけではない。「自分たち夫婦と遊との間に“物語”を求めていました」と振り返る。

 児童相談所から里親認定された日の翌日に遊ちゃんが生まれたこと、その誕生日が夫婦の結婚記念日だったこと-。「出会うべくして出会った運命なんだ」と考えていた。遊ちゃんとの間にそう絆を感じ、“親子の物語”を大切にした。ただ、それはほんの数年間のこと。「家族としての歴史を積み重ねると、そういう物語が必要ではなくなる。当たり前に家族なんです」

養子縁組にも「年齢の壁」…治療と並行で考えて

 不妊カウンセリングや養子縁組相談を行なう「コウノトリこころの相談室」では、昨年から定期的に養子縁組のセミナーを開催している。

 カウンセラーの池田麻里奈さんは「不妊治療をしている人の間で、養子縁組への関心が高まっている。治療と並行して養子を考えることにはメリットがある」と言う。

 養子縁組を考えることは、血のつながった子供をあきらめることにもなる。それは、治療のやめ時にも繋がる。「考えた末に、血のつながった子供を望むという結論に至ってももちろん良い。選択肢として真剣に考えたことで、治療姿勢も前向きになるんです」と池田さん。

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