産経ニュース

【不妊治療のやめ時を考える(4・完)】養子を育てるという選択も 「治療と並行して検討を」「血が繋がってなくても似てくるのかな…」

ライフ ライフ

記事詳細

更新

【不妊治療のやめ時を考える(4・完)】
養子を育てるという選択も 「治療と並行して検討を」「血が繋がってなくても似てくるのかな…」

親子のあり方はさまざま。養子という選択肢も…(写真はイメージです) 親子のあり方はさまざま。養子という選択肢も…(写真はイメージです)

 ベビー服を洗って、ベランダに干す。パステルピンクやイエローが青空に映える。

 「幸せってこういう色なのかな」

 東京都の会社員、加藤茜さん(48)=仮名=は民間団体の仲介で、生後1カ月だったさやかちゃん=仮名=を引き取った。もうすぐ3歳になる。

 38歳のときに4歳年上の夫と結婚。すぐに不妊治療を始め、5年間で試みた体外受精は10回以上。採卵もうまくいかなくなってきた頃、治療の目的を自分に問いかけた。インターネットの特別養子縁組に関する記事が目に留まった。「自分で産まなくても、子育てはできる」

  親子で川の字、「本当に幸せ」

 

 「養子を迎えない?」。思い切って夫に告げると、「どういう子供が来るか分からないのに育てられるの?」

 けんかをしたことのなかった夫と毎日口論になった。「ここで折れたら一生後悔する」。説得の末、夫も最後は首を縦に振ってくれた。民間団体に登録し、保育実習で育児について学んだ。準備を整え平成25年11月、さやかちゃんを迎えた。

 「こんなに小さいんだ…。この子の命を2人で守っていかなきゃね」

 うれしい半面、当初は一緒に出かけてもうつむき加減になっていた。「こんなに年が離れていると、周囲から変に思われないかな」。だが、物怖じせず、元気なさやかちゃんと一緒だと、見知らぬ人に話しかけられる機会も多い。

 「将来、養子であることを負い目に思ってほしくない。堂々としよう」。近所の人や友人に養子を迎えたことを伝えると、「家族が増えてよかったね」と喜んでくれた。

 今では、さやかちゃんと顔が似ている、と言われる機会も増えた。「毎日同じものを食べて、笑って。一緒にいると似てくるのかな」と嬉しくなる。当初は慎重な姿勢だった夫も、今は子煩悩な父親になった。

続きを読む

「ライフ」のランキング