産経ニュース

【大隅良典さんノーベル医学・生理学賞受賞】夜中に突然の電話も 「変わったことが好き」弟子が語る横顔

ライフ ライフ

記事詳細

更新

【大隅良典さんノーベル医学・生理学賞受賞】
夜中に突然の電話も 「変わったことが好き」弟子が語る横顔

基礎生物学研究所時代の大隅良典さん(後列右から3人目)、吉森保さん(後列右端)、水島昇さん(前列右)=平成10年 基礎生物学研究所時代の大隅良典さん(後列右から3人目)、吉森保さん(後列右端)、水島昇さん(前列右)=平成10年

 「ただひたすらに、目の前にある面白い現象を解明したい。そんな姿勢で研究に取り組む先生に、いつも共感していた」

 大隅良典さんが約20年前に基礎生物学研究所の教授に就き、オートファジーの研究室を開設した際、助教授として研究を支えた大阪大特別教授の吉森保さん(58)はこう振り返る。

 大隅さんは素朴な人柄で、決して声を荒らげずにゆっくりと話す。研究メンバーとして誘われたときも「夜中に突然、電話がかかってきて、ひと言『来る?』と言われたのを今でもよく覚えている」という。

 すごいと思うのは洞察力だ。大隅さんは酵母で研究をスタートさせたが、早くから哺乳類に拡大する必要性を見通していた。哺乳類細胞の分泌経路を研究していた吉森さんを招いたのも、そのためだ。

 「方向性だけ決めると、後は自由にやらせてもらえたので、オートファジーがあらゆる動物にあり、病気とも関係が深い機能だと突き止めることができた」

 平成10年から非常勤研究員として研究に参加した東京大教授の水島昇さん(50)は「変わったことが好きで面倒見のいい方」と語る。

 水島さんは、それまで東京医科歯科大の臨床医だった。だが大隅さんの論文を読んでオートファジーに興味を持ち、一面識もない大隅さんのもとを訪れ、一緒に研究させてほしいと直訴した。大隅さんは畑違いの世界にいた若手医師のとっぴな行動を面白がり、快く受け入れたという。

 大隅さんは研究でもデータのとらえ方が独特で、ほかの研究者とはひと味違った見方をしていた。「だからオートファジーを解明する作業に遺伝子学を持ち込み、研究の質をがらりと変えることができた」と師匠の偉業をたたえた。

「ライフ」のランキング