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【大隅良典さんノーベル医学・生理学賞受賞】栄養を再利用…「オートファジー」って何?

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【大隅良典さんノーベル医学・生理学賞受賞】
栄養を再利用…「オートファジー」って何?

酵母のオートファジー(自食作用) 酵母のオートファジー(自食作用)

 成人は1日に160~200グラムのタンパク質を体内でアミノ酸から合成し利用している。だが、食事などで摂取するタンパク質やアミノ酸は1日わずか60~80グラム。不足分の調達に大きな役割を果たしているのが、細胞内で劣化したタンパク質などを分解し再利用する「オートファジー」だ。

 新生児も生まれた直後はオートファジーで栄養補給する。胎盤から離れると母親から栄養を得られず飢餓状態に陥るため、自分の細胞内のタンパク質を分解して生き抜いているのだ。

 山などで遭難した人が、水だけで何日も生き延びられることがあるのも、オートファジーのおかげだ。

 大隅良典氏の研究で、こうした飢餓の解消だけでなく、細胞内の老廃物を分解する浄化や、侵入した細菌や異物を分解する防御など、複数の重要な役割を担うことも判明した。

 生体内の主な浄化機能には、オートファジーのほか不要な細胞を「自殺」させるアポトーシス(細胞死)と、細胞内の不要なタンパク質を見分けて分解するユビキチン・プロテアソーム系がある。それぞれ欧米の研究者が発見し2002、04年にノーベル賞を受賞した。大隅氏が「第3の浄化機能」で受賞に輝いたことで、日本の細胞生物学のレベルの高さが示された。

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