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あの国宝「鳥獣戯画」の絵、実は順番違っていて本当は… 

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あの国宝「鳥獣戯画」の絵、実は順番違っていて本当は… 

(上)入れ替わり前(下)入れ替わり後。(上)は新たに連続する場面と分かった「鳥獣人物戯画」甲巻の23枚目(右)と11枚目。(下)は現在の甲巻の10枚目(右)と11枚目(修理報告書「鳥獣戯画 修理から見えてきた世界」から) (上)入れ替わり前(下)入れ替わり後。(上)は新たに連続する場面と分かった「鳥獣人物戯画」甲巻の23枚目(右)と11枚目。(下)は現在の甲巻の10枚目(右)と11枚目(修理報告書「鳥獣戯画 修理から見えてきた世界」から)

 11枚目と23枚目を合わせた長さは約54センチで、甲巻の他の紙のサイズとほぼ同じことから、2枚は当初1枚だったが、切断され、絵順も入れ替わったらしいが、その時期は不明という。

 修理を監督した一人の鬼原俊枝・元京都国立博物館列品管理室長は「他の場面が外れていた時期があり、絵順がつかめず、間違ったのかも」としている。

 さらに甲巻は画風の違いから1~10枚目、11~23枚目の2巻に分かれると考えられていたが、2巻は紙質も異なることが確認され、甲巻は2巻を合体して成立した可能性が高くなった。

 鬼原元室長は「4巻を同時に調査し、比較できたことで新発見が相次いだ。修復に当たった装●(そうこう)師の観察力や、透過光などによる調査の成果といえ、今後の同様な絵巻物修理の指針となる」と話す。鳥獣戯画は10月4日~11月20日に九州国立博物館で展示される。

「後世の鑑賞に堪えるよう編集か」

 上野憲示・文星芸術大学長(日本絵画史)の話「模本などから23枚目の後に11枚目が続くことは想定されてはいたが、今回の調査で裏付けられ、謎の解明に役立つ。鳥獣戯画は江戸時代初めに、後水尾天皇の中宮だった東福門院和子によって本格的な修復が行われた。その際に後の時代の鑑賞に堪えるようにと編集されたのではないか。絵の順番の入れ替えや切断などが行われた可能性がある」

【用語解説】鳥獣戯画

 世界遺産の高山寺(京都市右京区)に伝来する絵巻物で国宝。正式には鳥獣人物戯画と呼ばれる。平安-鎌倉時代の作品とされ、作者は鳥羽僧正覚猷とされるがよく分かっていない。擬人化した動物が登場する甲巻が有名で、漫画やアニメーションの原点ともいわれ、前回の修復は明治14年ごろとみられる。今回は平成21年7月~25年3月末まで京都国立博物館で実施された。

●=さんずいに黄

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