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美容でも近大ブランド存在感 産学連携の強化実る 大阪

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美容でも近大ブランド存在感 産学連携の強化実る 大阪

 ■スッポンのコラーゲンでミスト 熊野の森林植物が香るクリーム

 世界初のクロマグロの完全養殖や、ウナギ味のナマズなど食材関連ビジネスで注目を集める近畿大(東大阪市)が、ビューティーケアビジネスでも存在感を示そうとしている。植物由来の保湿クリームや入浴料のほか、スッポンコラーゲンを使ったミストなどを商品化。これら商品はいずれも民間企業との連携商品で、産学連携強化による“近大ブランド”の浸透を図るのが狙いだ。(香西広豊)

 近大の名誉教授で工学博士の宮澤三雄氏は、アロマ関連事業を手掛けるエムアファブリー(和歌山県新宮市)と連携し、同県熊野地方の森林植物から放出される香り分子を使った入浴料や保湿クリームの新ブランド「熊野香道シリーズ」を、このほど商品化した。

 両者は、この香り分子をもとに肌荒れやシミの予防・改善効果が期待できる機能性香り分子を開発、商品化した。エムアファブリーが販売を担当。価格は入浴料(30グラム入り)が300円(税別)、保湿クリームは1600円と1800円(いずれも税別)。現在、エムアファブリーのホームページ(HP)を中心に販売しているが、本格販売はこれからで、ネット通販「アマゾン」での販売も予定、「保湿クリームも入浴料も各1万個の販売を目指す」としている。

 近大は今回の商品化について「研究成果を和歌山県の地場産業に還元し、地方創生に貢献したい」としている。

 また、近大は昨年、スッポンのコラーゲンを使用した化粧品「保湿美容ミスト セル・シュシュ」(3千円・税別)を商品化。原料には静岡県立焼津水産高校(焼津市)の学生らが養殖したスッポンを使用。コラーゲン成分を損なわない抽出方法を採用したほか、保湿成分のヒアルロン酸なども加えた。スッポンコラーゲンの保湿成分などが肌にはりとうるおいを与えるという。

 商品開発にあたっては、大阪の化粧品会社「クロモンコスメティック」(大阪市中央区)と技術協力。薬学部の女子学生が商品の企画段階から参加、消費者としての要望を商品開発に反映し、商品名やパッケージデザインなどにもアイデアを採用したという。

 クロモンコスメティックのHPのほか、高島屋大阪店などで販売しており、販売開始から約1年間で約5千個を売り上げている。

 文部科学省によると、近大は「民間企業からの受託研究実施件数」で平成25年度が254件で全国1位、26年度も239件で2位となっている。21年度が126件(9位)だったことを考えると、その数は倍増しており、ここ数年、近大が産学連携を強化していることを裏付けている。

 近大は「産学連携は、大学の教育方針である実学の一環として取り組んでおり、研究成果を消費者に届けたい」と説明している。

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