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【からだのレシピ】がんの〝新〟免疫療法は「爆発的な破壊力」 中村祐輔・米シカゴ大教授、癌学会で発表へ 来年にも臨床試験開始

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がんの〝新〟免疫療法は「爆発的な破壊力」 中村祐輔・米シカゴ大教授、癌学会で発表へ 来年にも臨床試験開始

免疫の力によって、がん細胞である緑色の丸いドットが次々に消えていく様子を見せる中村教授=米イリノイ州・シカゴ大学(大家俊夫撮影) 免疫の力によって、がん細胞である緑色の丸いドットが次々に消えていく様子を見せる中村教授=米イリノイ州・シカゴ大学(大家俊夫撮影)

 中村教授の研究は「T細胞受容体遺伝子導入療法」と呼ばれ、科学的根拠に裏付けられた免疫療法を目指している。シカゴ大で産経新聞の取材に応じた中村教授はこのメカニズムについて「がん患者からがんを殺すT細胞(リンパ球)を見つけだし、このT細胞のもつ受容体遺伝子を明らかにする。そして、この遺伝子を患者自身のリンパ球に遺伝子操作によって導入する。T細胞を1億~10億個レベルまで増やし、この免疫力によって一気にがんを殺す」と解説した。

 ◆鍵と鍵穴の関係

 この治療方法で特徴的なのは、がん特異的抗原(がんの目印)とT細胞受容体が、鍵と鍵穴の関係となることに着眼したことだ。

 今年6月には、シカゴ大の他の研究室との共同研究で、マウスの実験においてがんが消えることが報告され、さらに培養された人のがん細胞の実験においても遺伝子操作したリンパ球ががん細胞を殺すことが確認された。このことは、鍵と鍵穴を合わせてがんを殺すことが可能になったことを示す。中村教授は「がん特異的抗原を認識するT細胞受容体を見つけ出すことはこれまで技術的に難しかったが、新しい手法によって容易になった」と指摘する。

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