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【書評倶楽部】『本当の夜をさがして』ポール・ボガード著 闇の世界の豊かさを取り戻すきっかけに 興福寺貫首・多川俊映 

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『本当の夜をさがして』ポール・ボガード著 闇の世界の豊かさを取り戻すきっかけに 興福寺貫首・多川俊映 

『本当の夜をさがして』ポール・ボガード著、上原直子訳(白揚社・2600円+税) 『本当の夜をさがして』ポール・ボガード著、上原直子訳(白揚社・2600円+税)

 本書はさまざまな角度から夜の闇を考察しているが、〈夜の音、夜の匂い〉という項目も興味深い。「暗い方がよく聞こえるんだ」というアメリカ先住民の血を引く作家の指摘があり、「夜の香りは豊かで芳醇(ほうじゅん)」「大地の匂いは夜の世界の地図だ」とも記されている。

 光と音は、もういい。その無遠慮な支配から離れて、闇の世界の豊かさを取り戻す。本書の閲読は、格好の事始めになるのではないか。(ポール・ボガード著、上原直子訳/白揚社・2600円+税)

                   

【プロフィル】多川俊映(たがわ・しゅんえい) 昭和22年、奈良市生まれ。著書に『心を豊かにする菜根譚33語 東洋の知恵に学ぶ』(祥伝社黄金文庫)など。

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