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【巨編に挑む】『言海』大槻文彦著 言葉の海を慈しむ国語辞典の父

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【巨編に挑む】
『言海』大槻文彦著 言葉の海を慈しむ国語辞典の父

大槻文彦著『言海』(ちくま学芸文庫・2200円+税) 大槻文彦著『言海』(ちくま学芸文庫・2200円+税)

 辞書の編纂(へんさん)は一朝一夕には成し遂げられない。《その気概と覚悟が、俺にあるだろうか》-。三浦しをんさんの本屋大賞受賞作『舟を編む』の中で、そんな不安に襲われた辞書編集部員の主人公が、ある先人の偉業を仰ぎ見る。国語学者の大槻文彦が17年かけて編んだ日本初の近代的国語辞典『言海(げんかい)』(明治22~24年)だ。120年以上経てなお愛される「言葉の海」の魅力を探ろうと、通読を試みた。(海老沢類)

                   

 手に取ったのは『言海』小形版をそのままのサイズで複製した、ちくま学芸文庫版。3段組に細かな字が並び、厚さは5センチ強。文庫なのに異様に威圧感がある。

 今年2月に購入し、気が向いたときにパラパラとめくっていた。だが半年過ぎても約3万9千ある収録語の1割にすら届かない体たらく…。8月半ばから意識して毎日目を通すようにすると、読み物としての面白さが迫ってきた。

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