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「再発見!ニッポンの立体」展 「本物に近づく」継承される美意識

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「再発見!ニッポンの立体」展 「本物に近づく」継承される美意識

安藤緑山「牙彫貝尽くし」清水三年坂美術館蔵 安藤緑山「牙彫貝尽くし」清水三年坂美術館蔵

 縄文時代の土偶から最新の現代アートまで、日本には多様な立体作品がある。そうした作品を集めた「再発見!ニッポンの立体」展が、群馬県立館林美術館で開かれている。現代の精緻な彫刻は、過去の立体造形表現と深く結びつくなど、展示作品からは意外な関係が浮かび上がってくる。(渋沢和彦)

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 展覧会場に展示された安藤緑山の「牙彫貝尽くし」。サザエの表面の細かい凹凸やハマグリの帯状の模様など、まるで実物のようだ。牙彫とは象牙など動物の牙を素材に細工した彫刻で、江戸時代に始まった。明治時代には盛んに海外に輸出され、海外でも人気を呼んだ。安藤は明治末期から昭和に活躍した牙彫作家で、超絶技巧の代表者として近年注目を集めている。

 立体作品と一口にいっても、彫刻から工芸、人形やゆるキャラまで、あまりにも幅広く、とらえどころがない。展覧会では章を設けて傾向ごとに作品を展示し、互いに関連性を探っている。興味深いのは「似せることへの志向」というコーナー。明治生まれの彫刻家、宮本理三郎の「木彫蜥蜴」は、竹の上をはう小さなトカゲを木に彫り彩色した作品。また、いかにもおいしそうな現代の食品サンプルも並ぶ。こうした本物に似せて作る表現は日本の立体造形の大きな特徴だという。

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