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【書評】『流星ひとつ』沢木耕太郎著

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【書評】
『流星ひとつ』沢木耕太郎著

流星ひとつ 流星ひとつ

 昭和54年、芸能界から引退することを決めた28歳の藤圭子に、31歳の沢木がその理由を問うてゆく。場所は都心のホテルのバー。2人はウオッカトニックの杯を重ねながら、親密で遠慮のない会話を交わしてゆく。沢木は半年の時間をかけて、会話のみで構成した作品に仕上げるが、その内容が藤の将来にとってマイナスに働く可能性があると考え、作品を封印してしまう。

 本書の親本が刊行されたのは、34年後、彼女の自殺(平成25年8月22日)の2カ月後のことであった。ここには、不世出の歌手の紛れもない真実がある。(新潮文庫・670円+税)

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