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蓮實重彦さん、22年ぶり小説「伯爵夫人」 女性の好反応に「非常に感動的」

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蓮實重彦さん、22年ぶり小説「伯爵夫人」 女性の好反応に「非常に感動的」

「心に湧いてくるものを次々に書き留めていった感じがする」と振り返る蓮實重彦さん(鈴木健児撮影) 「心に湧いてくるものを次々に書き留めていった感じがする」と振り返る蓮實重彦さん(鈴木健児撮影)

 三島由紀夫賞発表時の不機嫌な会見で話題を呼んだ蓮實重彦さん(80)の小説『伯爵夫人』(新潮社)が、順調な売れ行きを示している。6月下旬に刊行されるや既に4刷まで版を重ね、発行部数は3万5千部を数えた。蓮實さん自身は「内容的にそんなに売れるはずがない」と戸惑いつつも、「女性の方が真面目に読んでくださっているようで、それは非常に感動的でした」と笑顔を見せる。(藤井克郎)

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 ◆「いきなり、ばふりばふり、と扉が回り始めたわけですね」

 『伯爵夫人』は、日米開戦前夜の東京を舞台に、高等学校に通う二朗が「伯爵夫人」と入ったホテルで出くわす現実とも幻想ともつかぬ体験を軸に、伯爵夫人の過去の冒険譚や二朗の交友録などが縦横無尽につづられる。冒頭に登場する回転扉の「ばふりばふり」という擬音をはじめ、「白いコルネット姿の尼僧が描かれたココア缶」「首筋越しに見えているはずもない白っぽい空」などのフレーズが心地よく繰り返される一方、エロチック表現も多用され、格調と猥雑(わいざつ)が入り乱れている感じだ。

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