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【次期学習指導要領】視点 脱ゆとり継続 課題は現場への浸透

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【次期学習指導要領】
視点 脱ゆとり継続 課題は現場への浸透

 次期学習指導要領の審議まとめ案は、現行の「脱ゆとり教育」路線を継続し、「知識の理解の質を高める」(文部科学省幹部)ことにも重きを置いた。知識と思考力のバランス重視の内容といえる。

 知識の定着は使う機会を増やしてこそ効果がある。その意味で、小学校の高学年で英語を教科化し「聞く」「話す」に加え「読む」「書く」ことも重視したのは妥当だ。

 高校で新設される「歴史総合」も注目される。そもそも日本と世界の近現代史は授業が手薄で、子供たちにも苦手意識が強い。

 例えば、首都圏にある教員養成系の大学が数年前に同大の1年生を対象に、小6で扱う歴史上の人物40人余りの生きた時代や業績を問うたところ、近代以降の人物の正答率は低く、特に明治天皇については正解者がゼロという結果が出た。

 近現代史の知識が欠落すればアジア諸国の人々と歴史認識問題で議論しても、相手に反論もできず、沈黙するしかない。歴史の多面的な見方を教える新科目が従来の歴史教育の弱点を克服し、近代以降を断罪する自虐史観からの決別につながることも期待したい。

 今回の審議まとめ案は「ゆとり教育」か「詰め込み教育」かといった非生産的な議論に終止符を打った点で評価できるが、教員たちにその趣旨や狙いが浸透しなければ絵に描いた餅に終わりかねない。文科省は全面実施までの数年間、真意をわかりやすく伝えることに全力を注ぐべきだ。(花房壮)

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