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【書評】『大人の極意』村松友視著

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【書評】
『大人の極意』村松友視著

『大人の極意』村松友視 『大人の極意』村松友視

 若くあり続けることばかりをむやみにありがたがる昨今の風潮に「なめたらいかんぜよ!」。敢然と物申した渾身(こんしん)のエッセーだ。

 筆者は駆け出しの編集者だった時代、担当した吉行淳之介ら巨匠たちが何げなく見せたとっておきの大人の流儀を30話ほど紹介。たとえば永井龍男が若かった著者を玄関で見送るときに見せた丁寧なお辞儀の作法。酸いも甘いもかみ分けた大人だけがたどり着ける領域が確かにあったのだ。

 齢(よわい)を重ねることは、劣化ではなくむしろ人生の妙味を味わえる絶好の機会の到来ではないか、と著者は達意の文で再考を促す。(河出書房新社・760円+税)

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