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【芥川賞選評】作家、川上弘美さん「過不足のない描写力とユーモアがある」

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【芥川賞選評】
作家、川上弘美さん「過不足のない描写力とユーモアがある」

【第155回芥川賞・直木賞発表】「コンビニ人間」で芥川賞を受賞し、記者会見する村田沙耶香さん=19日午後、東京都千代田区の帝国ホテル(宮崎瑞穂撮影) 【第155回芥川賞・直木賞発表】「コンビニ人間」で芥川賞を受賞し、記者会見する村田沙耶香さん=19日午後、東京都千代田区の帝国ホテル(宮崎瑞穂撮影)

 第155回芥川賞が19日発表され、村田沙耶香さんの「コンビニ人間」(「文学界」6月号)に決まった。選考委員の川上弘美さんが会見に臨み、選考経過について説明した。

       ◇

 第155回芥川龍之介賞の選考過程の発表をいたします。まず5作、選考委員全員で評価いたしまして、最初に高橋弘希さんの「短冊流し」、そして山崎ナオコーラさんの「美しい距離」が落ちました。残った今村夏子さんの「あひる」、崔実さんの「ジニのパズル」、村田沙耶香さんの「コンビニ人間」の3作について協議した結果、村田沙耶香さんの「コンビニ人間」が受賞しました。

 --受賞作はどこが評価されたのか

 ある種の変わった主人公、コンビニでしか生きられない、コンビニで生きる動物として生きる、という非常に変わった主人公に見える、その主人公を設定して、彼女がコンビニという非常に現代的な場所の中で生きるという、ある種のSF的設定で、アイデアとしては、もしかすると20世紀もあったかもしれないけれど、21世紀の今書き、そして村田さんの書き方なんですけれども、主人公だけでなく周りの人間を活写することによって、一見異常だと思われる主人公を、主人公の異常性を描写することによって、かえって『普通』という人たちに対する批判にもなっている。そして、それ全体が過不足のない描写力、ユーモアをもって描かれていて、一編の非常に興味深い、そして今でなければ書けない、優れた作品として評価されました。

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