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【書評】文芸評論家、小川榮太郎が読む『永遠の武士道 語り伝えたい日本人の生き方』多久善郎著 単なる修己の道ではない国柄そのものだ

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【書評】
文芸評論家、小川榮太郎が読む『永遠の武士道 語り伝えたい日本人の生き方』多久善郎著 単なる修己の道ではない国柄そのものだ

永遠の武士道 永遠の武士道

 ■見事な精神の系譜を活写

 武士道に関する箴言(しんげん)名句を、宮本武蔵、山鹿素行ら先駆者から、幕末維新の勤王の士、日清日露、そして特攻隊や敗戦日本の軍人らの遺書までを辿(たど)り、見開きで解説を加えた一冊だ。実用的な名言集としても有用の書だが、私が瞠目(どうもく)したのは、本書が武士道を軸にした見事な精神の系譜を描き出している点である。

 「千日の稽古を鍛とし、万日の稽古を練とす」という『五輪書』の言葉について、著者は千日は約3年、万日は約30年とした上で、「武蔵にとっては20歳前後の修練が『鍛』であり、更(さら)に独自の境地を確立した50歳までの30年に及ぶ稽古が『練』であった」と指摘する。千日と万日は多年を意味する漠然たる比喩ではない、明確な実践の指標だと言うのである。が、武士道は単なる修己の道ではない、国柄そのものでもある。

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