産経ニュース

ミステリーの女王のお別れ会に300人 「あの世で夏樹静子賞を作って…」

ライフ ライフ

記事詳細

更新


ミステリーの女王のお別れ会に300人 「あの世で夏樹静子賞を作って…」

3月29日に亡くなった作家、夏樹静子さんのお別れ会=6月28日、東京都渋谷区、セルリアンタワー東急ホテル 3月29日に亡くなった作家、夏樹静子さんのお別れ会=6月28日、東京都渋谷区、セルリアンタワー東急ホテル

 3月に77歳で亡くなった作家、夏樹静子さんのお別れ会が6月28日、東京都内のホテルで開かれ、親交のあった作家や関係者ら約300人が故人をしのんだ。

 夏樹さんは昭和45年に『天使が消えていく』で単行本デビュー。『Wの悲劇』『蒸発』など、繊細な心理描写と巧みなトリックによる推理小説を数多く手掛け、ミステリーの女王と呼ばれた。

 夏樹さんとともに、九州さが大衆文学賞の選考委員を務めた北方謙三さん(68)は「夏樹さんのいないこの世は、ちょっとさびしい。あの世で夏樹静子賞というミステリーの賞を作り選考委員に加えてもらいたい」。昭和48年に日本推理作家協会賞を同時受賞した森村誠一さん(83)は出席できなかったが、「遠い昔、同期の桜として一緒に花見をしたとき、花びらを肩につけた夏樹さんの姿を昨日のことのように思い出します」とのメッセージを寄せた。

 白い花で囲まれた祭壇に、赤い花模様の上衣を着てほほ笑む遺影。エルビス・プレスリーの「マイ・ウェイ」が流れる中、子供たちが厳選した、家族旅行や趣味の囲碁を楽しむ写真が次々とスクリーンに映し出され、参列者の涙を誘った。

 遺族代表としてあいさつに立った夫の出光芳秀さん(79)は「知り合ってから59年。好きな物書きを長く続け幸せな人生だったと思うが、私の前で作家の顔は一切見せない良き妻、良き母だった。突然の死が信じられず、今も旅行にでかけているかのよう」と愛妻の死を悼んだ。(村島有紀)

「ライフ」のランキング