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【書評】元ポルノ小説家の恋 『もういっかい彼女』松久淳著

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【書評】
元ポルノ小説家の恋 『もういっかい彼女』松久淳著

「もういっかい彼女」松久淳著(小学館) 「もういっかい彼女」松久淳著(小学館)

 ライターの富谷啓太は、雑誌の企画で佐々田順という老作家のインタビューを依頼される。9作のポルノ小説を世に出した後、20年間も活動をしていない彼の身に何があったのか。そこには彼が愛したある女性をめぐる切なくもいとおしいドラマがあった。

 もっと早く彼女と出会っていたら。思いを募らせた佐々田は、やがて過去に戻って彼女を見守ることになったと打ち明けるが、それは事実なのか、彼の創作なのか。タイムスリップものとしては禁じ手が次々と繰り出されるが、その矛盾がすべて氷解するラストは衝撃的で、思わず感動を覚える。(小学館・1300円+税)

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