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国際政治学者・高坂正堯没後20年 「現代の古典」思想家として注目

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国際政治学者・高坂正堯没後20年 「現代の古典」思想家として注目

相次いで刊行された高坂正堯の関連書 相次いで刊行された高坂正堯の関連書

 高坂の教え子で同書の編者を務めた中西寛・京大教授(国際政治学)は、「多くの社会科学者は、時代が移るにつれ顧みられなくなるのが一般。だが高坂の著作を読むと、同時代的な問題意識を越えて、現代のわれわれが抱えている問題についての示唆を得ることができる」と、高坂の著作が“現代の古典”として研究者間で読み継がれている状況を語る。

 新潮選書は5月、高坂が昭和43年に発表した文明論『世界地図の中で考える』を復刊した。同選書は平成24年にも高坂の文明論『文明が衰亡するとき』を復刊しており、同編集部の三辺直太さんは「『文明-』は新潮選書の全作品の中でも部数トップ3に入るベストセラー。高坂作品は今読み返しても内容が古びていないので、復刊でも売り出すのに困らない」と説明する。

 異分野の研究者から見ても、高坂は興味をひく対象だという。昨年、論壇誌『Voice』で高坂論を発表した先崎彰容(あきなか)・日本大教授(日本思想史)は、高坂の文章について「国際政治を語りつつ、そこには必ず人間論がある」と指摘する。「たとえば、冷戦下の勢力均衡の背後に、相互の恐怖という感情を見て取り、そこから論を進める。人間の精神に根を下ろした高坂の議論は、私のような思想史研究者にとっても魅力がある」と、政治や外交の枠にとどまらない、思想家としての高坂をとらえ直す必要性を訴えている。(磨井慎吾)

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