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【アート 美】時代刻むフランス20世紀の名作 「ポンピドゥー・センター傑作展」

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【アート 美】
時代刻むフランス20世紀の名作 「ポンピドゥー・センター傑作展」

ラウル・デュフィ「旗で飾られた通り」1906年 Photo:cGeorges Meguerditchian-Centre Pompidou,MNAM-CCI ラウル・デュフィ「旗で飾られた通り」1906年 Photo:cGeorges Meguerditchian-Centre Pompidou,MNAM-CCI

 有名美術館の名を冠した名作展では、集客力のある作品を並べることが優先され、テーマは後付けという場合が多々ある。その点、東京都美術館(東京都台東区)で開催中の「ポンピドゥー・センター傑作選」は潔い。明確なテーマはなく、シンプルに時系列の展示である。

 ポイントは、1年ごとに1作家の1作品を選ぶルールと、フランスで制作経験のある作家に限定したこと。日本からやって来た藤田嗣治のように、パリの美術シーンを豊かなものにした異邦人(エトランジェ)も含む。そして、同じ作家が再び登場することはない。

 そもそもフランスではルーブル美術館、オルセー美術館、ポンピドゥー・センター(国立近代美術館)の国立3館で、年代を分けて百科全書的に作品を所蔵しており、ポンピドゥーが受け持つのは20世紀初頭から現在までのアートだ。だから今回の起点は1906年、ラウル・デュフィのフォービスム期の作品「旗で飾られた通り」。鮮やかなトリコロールに見送られ、フランス20世紀美術の旅は始まる。

 キュビスム、シュールレアリスムなどと20世紀美術は「流派」でくくられることが多いが、今回はあくまで年代順。既製品を芸術として提示した革命-「レディー・メイド」の先駆け的作品、マルセル・デュシャンの「自転車の車輪」(13年)も、さりげなく置かれている。猫を抱くフジタの自画像(28年)の横には、聖母マリアの啓示を受けて独学で描き始めた仏女流画家、セラフィーヌ・ルイの「楽園の樹」(29年)。流派別では取り上げられにくい作家も、独特の存在感で、見る者を魅了する。

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