産経ニュース

【書評】文化部編集委員・桑原聡が読む『カエルの楽園』(百田尚樹著)…「私の最高傑作」と言い切る護憲メディア黙殺の快著

ライフ ライフ

記事詳細

更新

【書評】
文化部編集委員・桑原聡が読む『カエルの楽園』(百田尚樹著)…「私の最高傑作」と言い切る護憲メディア黙殺の快著

カエルの楽園 カエルの楽園

 ダルマガエルの侵略によって国を失い、安住の地を求めて世界を放浪するアマガエルたち。世界は危険に満ちていた。次々と仲間を失いながらソクラテスとロベルトは、ツチガエルの暮らすナパージュ国という平和な国にたどりつく…。本書は危険に満ちた世界で平和を保っていたナパージュ国が、ウシガエルの侵略を受けて滅亡していくさまをソクラテスとロベルトという「難民=第三者」の目を通して描いた物語である。読者は「カエルを信じろ、カエルと争うな、争う力をもつな」との「三戒」を守ろうとするツチガエルの言動を滑稽でとてつもなく異様だと感じることだろう。だがその言動は、現在の日本で違和感なく受け止められている護憲勢力の言動と寸分違わないのである。

 本書を書くにあたり、著者はひとりでも多くの日本人に読んでもらおうと、自分の主義主張と作家としての個性を抑制し、フラットかつ平易に筆を運ぼうと努めている。それこそが物語に普遍性を与えると考えたからだろう。『永遠の0』や『海賊とよばれた男』で高い評価を得た著者にとってとてつもないチャレンジだったに違いない。文章を書く者なら実感できるだろうが、「だ」調を「ます」調に変えるだけでも大変なのだから。相当な覚悟だ。だからこそ本書を書き終えた著者は「これは私の最高傑作だ」と言い切るのだ。

このニュースの写真

  • 文化部編集委員・桑原聡が読む『カエルの楽園』(百田尚樹著)…「私の最高傑作」と言い切る護憲メディア黙殺の快著

「ライフ」のランキング