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【東京五輪】救急搬送2400件…破綻も 負荷3%増予測

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【東京五輪】
救急搬送2400件…破綻も 負荷3%増予測

 2020年の東京五輪では高温多湿の気象に伴い救急搬送される観客が激増、消防の負荷が約3%増加するとの推計を、杏林大医学部の山口芳裕教授(救急医学)がまとめた。過去の五輪を大きく上回っており、山口氏は「現在の救急搬送のシステムでは破綻する恐れがある」と警鐘を鳴らす。

 山口氏によると、一般的なイベントでは、観客1万人につき10人程度の傷病者が発生。イベントの内容により傷病者の重症度は異なるが、五輪は参加者の興奮度が高く、開催時期の東京は高温多湿であることから特に重症度が高まる。00年のシドニー五輪や12年のロンドン五輪では、五輪に関連した救急出動は1000~1300件程度。しかし2020年の東京は、1800~2400件になると推計した。

 東京消防庁によると、五輪が開催される8月は、インフルエンザや急性アルコール中毒などが多発する12~1月に次いで救急搬送が増える時期で、都内では月約6万5000件に上る。これに五輪開催に伴う救急搬送が加わると、消防の負荷はシドニー五輪(1・9%増)やロンドン五輪(1・4%増)を大きく上回る2・8~3・6%増になる。近隣の消防署の救急車が出払っていて到着が遅れたり、近隣に受け入れ医療機関が見つからず遠方に運ばれたりする恐れがある。

 山口氏は「仮設救護所を設け、軽症者はそこで処置するなど全件を救急搬送システムにのせないことが重要」と指摘している。

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