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撮り続けた30年 写真集「遙かなるグルクン」の中村征夫さん 存続の危機「アギヤー漁」

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撮り続けた30年 写真集「遙かなるグルクン」の中村征夫さん 存続の危機「アギヤー漁」

中村征夫写真集『遙かなるグルクン』から 中村征夫写真集『遙かなるグルクン』から

 「伝統漁の存続が危ぶまれている。絶やしてほしくないという気持ちはありますね」。水中写真家の中村征夫(いくお)さん(70)が『遙かなるグルクン』(日経ナショナルジオグラフィック社)を刊行した。沖縄の県魚であるグルクン(タカサゴ)を追う漁師をテーマにした写真集だ。「アギヤー」と呼ばれる追い込み漁だが、いまは宮古諸島の伊良部島でしか行われていない。写真からは、命がけで自然と向き合う仕事の過酷さと尊さが伝わってくる。(篠原知存)

 撮影で八重山諸島に滞在していたとき、引退した漁師から昔のアギヤー漁の話を聞いた。多くの人手が必要だったために未成年の子供たちも働かされ、過酷な暮らしをしていたという。

 衝撃を受けて、その伝統を受け継ぐ男たちの撮影を始めたが「まだ撮り切っていない」「もう少し」と気がつけば30年以上が過ぎていた。作品はすべて白黒で制作。デジタルカメラも使っていない。

 「ウミンチュ(漁師)たちの人生観とか、人となりっていうのは、カラフルな色彩で目に飛び込んでくるより、秘めたドラマとして想像してもらうほうがいいかなと。きっとモノクロのほうが深く掘り起こして考えてもらえると思った」

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