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【アート 美】「広重ビビッド」展 絵師と摺師が生む「初摺」の迫力

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【アート 美】
「広重ビビッド」展 絵師と摺師が生む「初摺」の迫力

「名所江戸百景 亀戸梅屋舗」大判錦絵 安政4(1857)年(原安三郎コレクション) 「名所江戸百景 亀戸梅屋舗」大判錦絵 安政4(1857)年(原安三郎コレクション)

 葛飾北斎とともに日本を代表する江戸時代の浮世絵師、歌川広重。現在、「広重ビビッド」と題された展覧会が、東京のサントリー美術館で開かれている。

 広重といえば「東海道五十三次」が有名だが、本展では「名所江戸百景」と「六十余州名所図会(ずえ)」を中心に展示した。驚くのは作品の色鮮やかさだ。「ぼかし」といわれる色のグラデーションが印象的で、目を見張る。

 「名所江戸百景」の亀が吊るされた大胆な構図の「深川萬年橋」は、淡いブルーや濃い藍色で川面を晴れやかに表現。ゴッホが模写した「亀戸梅屋舗」は、空を染める朱色の濃淡が引き立つ。「六十余州名所図会」の「阿波 鳴門の風波」は、藍色のぼかしで巧みに渦巻きの勢いを描出した。色彩だけではなく「大はしあたけの夕立」のように雨の降る線がくっきりとしてシャープに出ているのも魅力だ。

 版画は何度も版が重ねられるものだが、本展で展示されたのは初摺(しょずり)。絵師が立ち会って摺師と調整しながら制作したもので、後から色数を減らすなどした後摺(あとずり)とは質が違い、貴重で価値が高い。実際、「名所江戸百景」は、当時大人気で、摺りを簡略化した後摺が複数制作されている。

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