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【両陛下熊本ご慰問】日帰りの強行日程、苦渋のご選択

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【両陛下熊本ご慰問】
日帰りの強行日程、苦渋のご選択

自衛隊ヘリで熊本県南阿蘇村に到着後、長野敏也村長と言葉を交わされる天皇、皇后両陛下=19日午後1時15分ごろ(代表撮影) 自衛隊ヘリで熊本県南阿蘇村に到着後、長野敏也村長と言葉を交わされる天皇、皇后両陛下=19日午後1時15分ごろ(代表撮影)

 天皇、皇后両陛下の熊本地震の被災地訪問が、航空機とヘリコプターを乗り継がれての日帰りという強行日程で実現した。地震発生直後から、「一日も早く現地に足を運び、被災者を見舞いたい」とお考えだった両陛下。だが、被災者への対応に追われる地元自治体に負担をかけたくないとの思いから、熊本入りのタイミングは被災地側の判断に委ね、発生から1カ月余りでのご訪問となった。

 熊本に宿泊されれば、地元警察など警備に多くの人員が割かれてしまう上、宮内庁としては、余震の危険性も無視できない。近県での宿泊は、被災者が避難所や車中、自宅で余震におびえる中、両陛下の選択肢にはおありにならなかった。ご自身だけ安全地帯に身を置くような選択を、両陛下はよしとされないからだ。その根底には、常に国民とともに、被災者とともにという両陛下のお考えがある。

 東日本大震災も阪神大震災も、最初は日帰りでの被災地ご訪問だったが、熊本とは移動距離が全く異なる。両陛下は熊本市や西原村など、困難に直面しているあらゆる被災地に足を運び、被災者を見舞い、その声に耳を傾けたいと願われている。ともに80歳を超えた両陛下にとって、体力的にも困難な日程で、かつ限られた時間での被災地訪問は苦渋のご選択だったといえるだろう。(大島真生)

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