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【大学ナビ】針路を聞く 東京農業大学・大澤貫寿理事長

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針路を聞く 東京農業大学・大澤貫寿理事長

 ■一貫体制で「質向上と内容充実」

 学校法人・東京農業大学の125周年記念式典が21日、秋篠宮さまご臨席のもと挙行される。3年後に小学校の開校を計画し、法人として初中等教育から大学・大学院までの一貫体制が完成する。「各傘下学校の特徴を生かした教育・研究で、広く社会に貢献したい」という大澤貫寿理事長に聞いた。(平山一城)

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 --式典には秋篠宮さまもご臨席とのこと

 「殿下はナマズのご研究で有名ですが、客員教授として学生にご講義をたまわり、北海道網走市のオホーツクキャンパス(生物産業学部)においでいただいたこともございます。本学は1891(明治24)年、榎本武揚公によって創設され、横井時敬初代学長の掲げた『人物を畑に還(かえ)す(有為な人材を育て社会に)』の建学精神と、その教育理念『実学主義』を継承して歴史を重ね、すでに卒業生は16万人を数えます。殿下のご臨席を仰ぎ、式典が挙行できますこと在校生や教職員、卒業生ともども光栄に存じます」

 --小学校設立の計画について

 「2019(平成31)年4月の開設予定で小学校新設を計画しています。すでに敷地を世田谷キャンパス内に確保し、専任教諭の公募も始めました。東京23区内ではほぼ半世紀ぶりの新設小学校になるそうです。これで、小学校から大学・大学院までがそろうことになります。小学校は男女共学2クラス(計70人)の規模ですが、コンクリートジャングルの都会では子供たちが自然に親しむ機会が極めて少ない。東京農大はさまざまな自然資源、生き物や作物に触れる機会を提供できます。特色ある初等教育が実践できると考えているのです」

 --法人内には、多数の併設校がありますね

 「世田谷キャンパスには東京農大第一高校・同中等部、群馬県高崎市に第二高校、埼玉県東松山市に第三高校・同付属中学校があります。千葉市にある東京情報大学は、総合情報学科を3学系に再編し、看護学科(仮称)の設置を計画(設置許可申請中)、2学部体制として、地域との連携をはかり情報化社会に貢献してまいります。少子化が加速するなかで併設の高校・中学校では、社会に評価される確固たる地位を確保することが重要です。それぞれの特徴を生かし、新たな時代に向けたさらなる教育の質の向上と内容の充実に取り組んでいきます」

 --グローバル化への対応も急務ですね

 「国際的な教育機関としての機能を一層高め、世界の農学の拠点大学として飛躍することを目指します。その布石が世田谷キャンパスに建設する「東京農業大学国際センター」(仮称)。海外協定校の学生と円滑な交流を図ると同時に、学術会議、国内外の校友や保護者も利用できる施設も備え、世界に向けて教育・研究の成果を発信する施設にします。世田谷キャンパスではすでに農大アカデミアセンターが完成して教育の高度化に役立てており、厚木キャンパスは新学生会館を建設し課外活動に活用、オホーツクキャンパスでは地域産業の再生に貢献できる人材育成に取り組んでいます」

 --130周年に向けて理事長として

 「学生、生徒・児童に愛される学校であること、を第一に、実学主義のもと人類と地球が直面する課題を解決し、未来の社会に貢献できる人材育成を目指します。社会の高度化、複雑化によって農学への期待と要求も大きく変化し拡大しています。そのため来年度、生命科学部(仮称)の新設計画(収容定員増加の認可申請中、届出書類提出中)を手始めに、学部学科の再編を進め、在学生が教育・研究に取り組みやすい環境を整備し、卒業後も大学との連携を継続してもらえるように努力します。学校法人の責任者として、健全な経営・財政基盤を固め、確かな未来図の構築のために邁進(まいしん)します」

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【プロフィル】大澤貫寿

 おおさわ・かんじゅ 東京農大農学部農芸化学科卒。農学博士。米国カリフォルニア大バークレー校博士研究員、東京農大総合研究所教授、同所長を経て、1998年、東京農大大学院農学研究科委員長。同大学応用生物科学部長を経て、2005年から学長を3期つとめ、11年に理事長就任。71歳。

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