産経ニュース

【書評】評論家、呉智英が読む『「論語」と孔子の生涯』影山輝國著 論語を読む前後の必読書

ライフ ライフ

記事詳細

更新

【書評】
評論家、呉智英が読む『「論語」と孔子の生涯』影山輝國著 論語を読む前後の必読書

「論語」と孔子の生涯 「論語」と孔子の生涯

 ■古典を正しく読むために 

 『論語』の解釈は一通りではない!と帯にある。どんな古典の解釈でもそうだろう、と単純に思うところだが、『論語』の解釈の場合は事情がもっと複雑だ。古典中の古典であるだけに、学者たちはさまざまに解釈してきた。だが、俗流解釈書も多い。

 著者は「あとがき」で言う。「『論語』の講座が花盛りである」「職場での経験や折に触れての雑感を『論語』に託して話される講師の方々もある」と。これが困りものなのだ。解釈の多様性ではなく、純然たる誤読を得々と話す人が多いのである。

 一例を挙げよう。『論語』巻頭の章は「子曰(しい)わく、学んで時に之(これ)を習う、亦(また)説(よろこ)ばしからずや」である。誰もが一度は読むか聞いたことがあるだろう。意味は「先生が言う。学んで適当な時期におさらいをする、何と嬉(うれ)しいことではないか」である。

「ライフ」のランキング