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【話題の本】『地域再生の失敗学』 再生とは平均所得の向上

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【話題の本】
『地域再生の失敗学』 再生とは平均所得の向上

『地域再生の失敗学』(光文社新書) 『地域再生の失敗学』(光文社新書)

 政府の肝いりで進む「地方創生」。全国の地方自治体が国の後押しを受け地域活性化策に取り組むが、各地で似たような失敗を繰り返している事例も目立つ。

 そこへ現れたのが、「失敗学」を銘打った本書。気鋭の経済学者である飯田泰之・明治大准教授を編者とし、地域経済の現場を知る研究者や自治体首長らへの取材や対談を通じて従来の国・自治体発の振興策の問題点を整理し、民間主導の再生を提言する。4月20日に初版8000部で刊行し、わずか1週間で重版。現在1万3000部と、ネットを中心に好調だ。

 そもそも、何をもって地域再生となすのか。本書は「絆」のようなあいまいな議論を退け、地域の平均所得の向上をもって「再生」とする。経済が回らない町は文化どころか地域の維持すらできないわけで、これはきわめて明快だ。

 そうした経済合理性に立脚したリアルでシビアな視点を基本に、官民連携の新戦略、過疎地域への対処策などを縦横に議論していく。ゆるキャラやB級グルメ、ふるさと納税など現在の地域活性化の「王道」とされる諸政策がなで切りにされていくのは壮観。地方問題に関心がある向きは、一読の価値あり。(飯田泰之、木下斉、川崎一泰、入山章栄、林直樹、熊谷俊人著/光文社新書・840円+税)

 磨井慎吾

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