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【からだのレシピ】歯周病と闘う リスクや予防法の正しい知識を

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【からだのレシピ】
歯周病と闘う リスクや予防法の正しい知識を

天野敦雄教授 天野敦雄教授

 ■ガムが口腔ケアをサポート

 歯周病は、2001年のギネスブックに「全世界で最も蔓延(まんえん)している感染症」と明記されたほどの、人類が古代から悩まされてきた病気だ。現代日本も例外ではなく、厚生労働省の「2011年歯科疾患実態調査」からは、日本人成人の約8割が歯周病だと推定される。ところが、これだけ多い病気であるにもかかわらず、歯周病のことを正しく理解している人は意外と少ない。歯周病の危険性や予防法について、専門家に伺った。

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 ◆全身の疾患に影響

 歯周病は、歯肉炎と歯周炎の大きくふたつに分けられる。原因となるのは細菌で、歯周病菌のかたまりである歯垢(しこう)が歯と歯ぐき(歯肉)の境目にたまり始めると、歯ぐきが炎症を起こして腫れる。これが歯肉炎で、歯と歯ぐきの間に歯周ポケットという隙間ができる。さらにそのポケット内で歯周病菌が増殖すると、歯を支える土台である歯槽骨まで炎症が及び、歯周炎となる。歯周ポケットの深さが4ミリ以上になると歯周炎とされ、特徴的な症状は歯ぐきからの出血だ。歯周ポケット内の上皮がはがれて潰瘍ができ、そこから出血が起こる。

 「歯周病菌は若い時から口の中にいるが、中年期になると病原性がどんどん高まり、口の中の菌のバランスを崩して発症しやすくなる」と語るのは、大阪大学歯学部長の天野敦雄教授。

 天野教授は「出血は要注意」とも言う。歯周病菌の栄養素は鉄分なので、血液は大好物なのだ。歯周ポケット内で出血が起こるとそれを栄養に菌の増殖はますます勢いづき、歯が抜けるまで土台を壊してしまう。さらに問題なのは、菌が傷口から毛細血管に入り込んで、血流に乗って全身に運ばれるということだ。その結果、図1のような各種疾患を増悪させることがわかっている。天野教授は、「口の中の健康を保つことは、全身の健康、QOLの維持、健康寿命にまで関わってくる」と、口腔ケアの重要性を強調する。

 ◆歯周炎への移行阻止

 歯周病にかからないようにするには、口の中を常に衛生的に保っておくことが大切だ。しかしすでに成人の8割が歯周病という現状においては、歯肉炎の人が歯周炎に移行しないようにすることも大切となる。30~40代なら、歯周病患者の7割くらいが歯肉炎で、歯周炎は3割程度。

 そこでロッテは、「歯肉炎の段階で健康な歯ぐきに戻すことを目的」(大澤謙二中央研究所基礎研究部部長)としたガムを用いた研究を行った。植物のユーカリから抽出したマクロカルパールCは、歯周病菌の増殖や歯垢の生成を抑制する効果が認められている。大阪大学でヒト臨床試験を実施し、歯肉に炎症のある97人にマクロカルパールCを配合したガムと無添加のガムをかんでもらって改善効果を確認した。基本的な口腔ケアは歯磨きだが、歯周病が減っていない現状の中で、歯ぐきに少しでも異常を感じたら、予防することが大切。

 大澤氏は「いつでもかめるガムをもっと手軽に利用してもらいたい」と言う。天野教授も、「ガムをかんでいれば歯磨きをしなくていいというのではない。しかし、歯磨きを補うものとしては有効だ」と期待している。

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