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【健康カフェ(30)】抗生物質 細菌を抑える薬で風邪には不要

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【健康カフェ(30)】
抗生物質 細菌を抑える薬で風邪には不要

 数日前からの微熱と喉の痛み、鼻水といった典型的な風邪の症状で30代の男性がクリニックを受診されました。「風邪ですね。つらければ症状を和らげる薬を出しましょうか」と聞いたところ、「仕事が休めないから抗生物質(抗菌薬)をください。いつも抗生物質で早く治しているから」と言います。この男性のように、風邪の患者さんから「抗生物質を出して」と言われることは初めてではありません。では、抗生物質で風邪は早く治るのでしょうか。

 抗生物質は細菌の働きを抑える薬で、ウイルスには効きません。くしゃみ、鼻水、微熱といったいわゆる風邪、さらに気管支炎や咽頭炎も、原因のほとんどがウイルスによるものです。抗生物質を使っても、症状の悪化を抑えることはありません。むしろ抗生物質による副作用の方が心配されます。

 また、無駄な薬の処方による医療費の無駄遣いや、抗生物質が効かない菌(耐性菌)の出現も指摘されています。特に耐性菌は世界中で大きな問題となっています。日本政府は5日、薬剤耐性菌への対策として、抗生物質の使用量を平成32年までに3分の2に減らす数値目標を盛り込んだ行動計画を決定しました。

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