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【書評】ミステリー評論家、稲塚由美子が読む『永遠の始まり I~IV』ケン・フォレット著、戸田裕之訳

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【書評】
ミステリー評論家、稲塚由美子が読む『永遠の始まり I~IV』ケン・フォレット著、戸田裕之訳

『永遠の始まり I』ケン・フォレット著、戸田裕之訳(SB文庫・880円+税) 『永遠の始まり I』ケン・フォレット著、戸田裕之訳(SB文庫・880円+税)

 ■人間の尊厳の意味を問う 

 物語は面白くなくてはいけない。本書は、激動の20世紀を舞台とした「百年三部作」シリーズの〈完結編〉全4巻。史実と絡めて描かれる「個人」の躍動に、次が読みたいという欲求を突かれる圧巻の冒険小説である。

 著者は世界的人気作家、ケン・フォレット。デビュー作『針の眼』でアメリカ探偵作家クラブ最優秀長編賞を受賞し、傑作『大聖堂』は全世界2千万部を売り上げたベストセラー作家だ。

 1961年の東ベルリン。教師レベッカが「秘密警察シュタージ」に出頭を命じられた。シュタージには不満を申し立てただけで犯罪になる。夫が妻を、時に親子であっても密告したという恐怖の監視社会でレベッカはどう生きるのか…。

 一方、アメリカでは、白人の父と黒人の母から生まれたハーバード大の学生ジョージが黒人差別に抗議する公民権運動フリーダム・ライドに参加していた。やがて司法長官補佐として働くことになり、自ら国を変えたいと…。

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