産経ニュース

安田靫彦展 ロマン香る日本画の美

ライフ ライフ

記事詳細

更新


安田靫彦展 ロマン香る日本画の美

「黄瀬川陣(きせがわのじん)」(右隻)重要文化財 1940~41年 東京国立近代美術館蔵 「黄瀬川陣(きせがわのじん)」(右隻)重要文化財 1940~41年 東京国立近代美術館蔵

 聖徳太子や源頼朝など歴史上の人物を生き生きと描き出した日本画家、安田靫彦(ゆきひこ)(1884~1978年)。画業の全容を探る回顧展が東京国立近代美術館(東京都千代田区)で開かれている。歴史考証に支えられ、事物の本質だけを表現した簡素な描写は、華美な絵画がもてはやされる時代にあって、改めて注目されている。(渋沢和彦)

                  

 安田は80年に及ぶ画業の中で一貫して歴史画に取り組んだ。彼の「畢生(ひっせい)の大作」といわれるのが「黄瀬川陣」だ。挙兵して陣を張った頼朝のもとに、弟の義経が奥州から従者とともにはせ参じた場面を題材にした。こまごまとした事物をちりばめず、極力無駄を省き人物に焦点を当てた。兄らしく堂々としてゆとりを感じさせる頼朝(右隻)の表情に対して、義経(左隻)の顔には緊張感と高揚感が見え隠れしてういういしい。幼少以来の劇的な再会を対照的に表現した。こまやかな装飾の軍装は専門家からも完璧に近いものとされている。

このニュースの写真

  • 安田靫彦展 ロマン香る日本画の美

「ライフ」のランキング