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【海底資源「夢の泥」はいま(1)】脱・資源貧国、日本の切り札「レアアース泥」に中国の触手 南鳥島南方で探査契約

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【海底資源「夢の泥」はいま(1)】
脱・資源貧国、日本の切り札「レアアース泥」に中国の触手 南鳥島南方で探査契約

 「研究者はどうやって生活しているんですか」。2月上旬、さいたま市で開催された中学生対象の講演会。無邪気な中学生の質問と、壇上の男性との掛け合いに会場は笑いに包まれた。壇上の男性は東京大学大学院工学系研究科エネルギー・資源フロンティアセンター教授の加藤泰浩(54)。

 加藤はハイテク素材に欠かせないレアアース泥(でい)を約5年前、太平洋のタヒチ沖やハワイ沖の海底で世界で初めて発見した。翌年の平成24年には日本の排他的経済水域(EEZ)である南鳥島(東京都小笠原村)沖でも見つけたことを公表した。海底の鉱物資源を見つけた日本人は加藤が初めてだった。

 南鳥島は、東京の南東約1860キロに浮かぶ最東端の国境。加藤の発見は一辺2キロの正三角形状の同島のEEZで、日本が自由に海底開発できることを意味する。南鳥島沖で発見されたレアアース泥は中国の陸上レアアースの20~30倍の濃度。現在の日本のレアアースの消費量(約1・4万トン)の200年分以上が眠っているという。日本が海底レアアース開発のトップランナーとなり、「資源貧国」を脱する足がかりとなる可能性を秘めているのだ。

 しかし、中国がその行く手を阻むかもしれない。「日本より先に中国がレアアース泥を開発する可能性が出てきました」。加藤は講演会でこう危機感をあらわにした。

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