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【美の扉】日本洋画の父、振り返る画業 「生誕150年 黒田清輝」展

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【美の扉】
日本洋画の父、振り返る画業 「生誕150年 黒田清輝」展

「読書」1891(明治24)年 東京国立博物館蔵 「読書」1891(明治24)年 東京国立博物館蔵

 明るい色彩で明治の洋画界に新風を吹き込み「日本近代絵画の巨匠」ともいわれる黒田清輝。フランス留学でアカデミックな美術を吸収し、その作品は切手や教科書でおなじみだ。現在、生誕150年を記念して大規模な展覧会が東京国立博物館(東京都台東区)で開かれている。

 代表作は「読書」と「湖畔」だろう。

 「読書」はフランス画壇へのデビューを果たした記念碑的作品。窓辺で本を読む女性の全身を、よろい戸から差し込む光が優しく包み込む。額や髪の毛に当たった光が絹糸のように柔らかく、印象深い。

 黒田は明治17年から26年までフランスに留学。この作品は、しばしば訪れていたパリの南東60キロほどにある小村、グレー・シュル・ロワンに滞在しながら制作。モデルは村の農家の娘で、黒田と恋仲となり、「婦人像(厨房)」などにも登場する。

 一方、「湖畔」は帰国後の代表作。湖を背景にうちわで涼む浴衣姿の女性。山のゆったりとした稜線(りょうせん)と波の穏やかな湖面。色調は淡く、湿気のある空気さえも描き出しているように見える。避暑のために滞在した神奈川県箱根町の芦ノ湖を舞台に、後に妻となる女性をモデルに描いた。この作品は、文筆家の白洲正子の生家の客間に飾られていた。白洲は絵の中の女性について「湖水から生まれた水の精のように清々しい」と記している。

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