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【編集者のおすすめ】『眩』朝井まかて著 この世のすべてを色で表現

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『眩』朝井まかて著 この世のすべてを色で表現

『眩』朝井まかて著(新潮社・1700円+税) 『眩』朝井まかて著(新潮社・1700円+税)

 葛飾北斎に、絵師の娘がいたことをご存じでしょうか?

 葛飾応為(おうい)。絵師の元へ嫁いだものの夫の絵を鼻で笑って離縁され、父の工房の職人となり画業一筋に生きた猛女です。北斎に「美人画では応為にかなわない」と言わせたほどの腕前で、現存する作品は少ないながらも名品ぞろい。朝井まかてさんが『眩』を書こうと思い立ったのも、美術館で彼女の代表作「吉原格子先之図」を見て、江戸時代に描かれたとは思えないモダンな光と影の美に胸打たれたことがきっかけでした。

 「応為にとって『描く』とはどんな意味を持っていたのか。なぜ彼女は江戸の世に絵師として自由に生きられたのか。それを知るには書くしかない」。絵と向き合ううちにそんな思いに駆られたと言います。

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