産経ニュース

【正論】左派と右派が少数先鋭化し、無関心層も拡大…ニヒリズムの蔓延を食い止めよ 拓殖大学学事顧問・渡辺利夫

ライフ ライフ

記事詳細

更新

【正論】
左派と右派が少数先鋭化し、無関心層も拡大…ニヒリズムの蔓延を食い止めよ 拓殖大学学事顧問・渡辺利夫

 3度の洋行を経て明治維新を迎え、近代主権国家日本の建設を求めて執筆をつづけたオピニオンリーダーが福澤諭吉である。明治8年、40歳の福澤が知力の限りを尽くして仕上げた著作が『文明論之概略』である。その第1章が「議論の本位を定(さだむ)る事」である。

 ≪次代の日本をどう築くか≫

 「利害得失」「軽重是非」の判断は難しいが、一身の利害から国家のことを断じたり、眼前の「便不便」で将来を論じたりしてはならず、「多く古今の論説を聞き、博(ひろ)く世界の事情を知り、虚心平気以(もっ)て至善の止(とど)まる所を明(あきらか)にし、千百の妨碍(ぼうがい)を犯して世論に束縛せらるゝことなく、高尚の地位を占めて前代を顧み、活眼を開(ひらい)て後世を先見せざるべからず」。こうして定まった「本位」でなければ議論すべき価値はないという。

「ライフ」のランキング