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【養老孟司先生のさかさま人間学】生きるっておもしろい 字で分かる人の「癖」

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【養老孟司先生のさかさま人間学】
生きるっておもしろい 字で分かる人の「癖」

 自分では気が付かないけれど、言われて気づく。そういう「癖」はだれにでもありますね。

 以前「猿」という字を書いて、1本線が足りないと指摘されたことがあります。いつもの癖で書いたら、まちがいだったんです。わたしはパソコンを使うので、いわば勝手に正しい字が出てくる。こういう機会でもないと、癖を直すことができません。

 不意に誤った字が浮かんで、頭に定着したのかもしれません。なぜそんなことが起きるのか。一つ、思い当たることがあります。小学校の入学前に左利きを直されました。あのころは軍隊があって、左利きはゆるされなかったのです。鉛筆も、はしも、右手で持つように強制されました。

 そのためだと思うのですが、入学してから、よく字をまちがえました。へんとつくりが逆になってしまうのです。

 特に「短」という文字がダメでした。矢と豆のどちらがへんで、どちらがつくりだか、見ていると分からなくなるのです。見れば見るほど、かえって分からなくなるのが面白かったですね。

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