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【この本と出会った】美術家・ミヤケマイ「愛せるものを見つけよ」 『メルヒェン』ヘルマン・ヘッセ著、高橋健二訳

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【この本と出会った】
美術家・ミヤケマイ「愛せるものを見つけよ」 『メルヒェン』ヘルマン・ヘッセ著、高橋健二訳

『メルヒェン』ヘルマン・ヘッセ著、高橋健二訳(新潮文庫・400円+税) 『メルヒェン』ヘルマン・ヘッセ著、高橋健二訳(新潮文庫・400円+税)

 ドイツを代表する詩人であるヘッセは牧師を父に持ち、神学校に進むも、詩人になれなければ何にもなりたくないと脱走し、書店員など職を転々とし、私生活では3回結婚した実践派だから、言葉が心に響くのだ。よくアーティストに必要な資質を聞かれるが人に似ていないからアーティストなわけで、1つだけあるとしたら、皆簡単に諦めず、妥協できないたちだと思う。そしてその根底には何かに対する偏愛がある。好きこそものの上手なれ。愛は諦めが悪いのである。ヘッセは「先生やパパやどこやらの神様に気に入られるだろうかなどいうことは、問題にしないことだ。そういうことを気にしたら、我が身の破滅を招くだけのことである」と言っている。まさしく表現者の基本原則である。

                   

【プロフィル】ミヤケマイ

 横浜市生まれ。平成13年からアーティスト活動を開始。アート、デザイン、工芸といった枠を超え、日本の伝統美に独自の感性を加えた作品で高く評価されている。主な作品集に『膜迷路』(羽鳥書店)など。(新潮文庫・400円+税)

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 『メルヒェン』は創作童話9編を収録した短編集。「アウグスツス」を筆頭に、いずれも迷える魂に救いをさしのべるような、大人の心に染み入る物語となっている。

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